腰痛の原因として考えられることとは?

私たち日本人の半数以上が、一生のあいだに腰痛の症状を経験するといわれています。腰痛は、痛みを自覚している症状のうち、男性では1位、女性では2位にランクインすることでも知られる症状です。腰に痛みなどの不調を感じはじめたときは、安静にしていると状態が徐々に回復することもありますが、症状をそのまま放置してしまうと痛みが広がり、慢性的な腰痛症状を抱える可能性があるため注意が必要です。

今回は、そんな厄介な腰痛を引き起こす原因と考えられている要因を基に、予防や改善につながるポイントについて考えていきます。

腰痛になる原因とは?【特異的腰痛】

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腰痛は、腰を強くぶつけた…、激しい運動をした…など、腰痛になる原因は色々あります。原因がわかっている腰痛以外にも、生活習慣や精神的なストレス、職業が関係しているもの、病院で検査を受けても病名がつかない症状など、腰痛の症状を引き起こす原因はさまざまです。
あらゆる要因が関係して痛みなどの症状に見舞われる腰痛は、特異的腰痛と非特異的という2つのタイプにわけられます。ここでは、医療機関で検査を受けた結果、腰の痛みに対して病名がつく特異的腰痛と言われる腰痛の症状や原因についてまとめています。

腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛

腰痛の原因が検査で特定されるケースが1割弱と多くはありませんが、その中でも特に多いとされる特異的腰痛が腰椎椎間板ヘルニアです。背骨にある椎間板は、骨と骨との間で衝撃を吸収するクッションとしての役割を果たしていますが、加齢などにより、椎間板の外側にある線維輪が変性、断裂し、ゼリー状の髄核の一部が外に飛び出してしまうことがあります。この飛び出した髄核が脊髄にある神経根を圧迫すると、腰をはじめ、お尻や下肢などに痛みやしびれを感じるようになり、症状が悪化すると歩行が困難になる場合もあります。
腰椎椎間板ヘルニアによる症状は、重いものを持ったときや、長い時間歩いたときなどに痛みやしびれが強くなることがあります。腰椎椎間板ヘルニアの主な原因は、加齢をはじめ、姿勢の悪さ、悪い姿勢でおこなう長時間の作業、喫煙などにより症状が起こりやすくなると考えられています。

腰部脊柱管狭窄症による腰痛

脊髄神経管が通っている脊柱管が何らかの原因で狭くなり、神経を圧迫することで痛みが生じる病気が腰部脊柱管狭窄症です。脊柱管が狭くなる主な理由は、加齢による椎骨や椎間板の変性や膨隆によるものと考えられています。
腰部脊柱管狭窄症の症状は、前かがみになったり、少し休んだり歩いたりを繰り返していると痛みがおさまり、また歩ける場合もあります。これを間欠跛行といいます。症状が悪化すると常にお尻や下肢に痛みやしびれを感じるようになり、拝尿障害が起こる場合もあります。

骨粗しょう症による腰痛

骨粗しょう症は、主に加齢に伴い骨が弱くなる病気です。弱くなった骨はどこかにぶつけたり、転んだりしたときに負担がかかることで圧迫骨折になりやすく、それが原因で脊髄神経根が圧迫され腰や背中に痛みを伴うことがあります。圧迫骨折による症状は、急性の場合は強い痛みを伴います。また、慢性の場合は、一度でなく、何度も圧迫骨折を繰り返すうちに腰や背中が徐々に曲がり、その影響で腰に痛みを伴うことがあります。

筋筋膜性腰痛による腰痛

激しい運動をしたことで腰に過剰な負担がかかると、腰周りの力が集中して筋肉が損傷し、痛みが生じることがあります。これを筋筋膜性腰痛といいます。運動以外にも、重いものを無理な姿勢で持つ、悪い姿勢で作業を長時間おこなうなど、腰の大きな負担がかかると筋肉が傷つき、痛みを伴うことがあります。筋筋膜性腰痛の症状は安静にすることで痛みが軽減しますが、痛みがある中でさらに負荷をかけると痛みやしびれなどの症状が悪化してしまう恐れがあるため注意が必要です。

腰痛になる原因とは?【非特異的腰痛】

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次に、腰痛による痛みの約8割を占める非特異的腰痛について紹介します。
非特異的腰痛は、医療機関で検査を受けても、原因がよくわからない、異常や病気はないなど、腰の痛みの原因を特定できないものを指します。レントゲンやMRIなどで検査をしても原因が特定できない腰痛は非特異的腰痛に分類され、腰痛の約8割は病名がつかない腰痛といわれています。

加齢や運動不足が原因で腰痛に!?

非特異的腰痛の中で、特に多いとされるのが加齢や運動不足による腰痛です。加齢により背骨を支える腰周りの筋肉が低下すると、腰が徐々に曲がって前かがみの体勢となります。姿勢が悪くなるとその分腰に大きな負担がかかるため、腰痛を起こしやすくなります。
また、普段から身体を動かす機会が少ない人は、運動不足により腰やお腹周りの筋肉量が徐々に減ってしまいます。背骨を支える筋肉が低下すると腰に痛みを伴うことから、ウォーキングやジョギングなど適度な運動を習慣づけて、腰痛の予防や症状の改善につなげることが大切です。

姿勢の悪さが原因で腰痛に!?

長い時間、中腰の姿勢で作業を続ける、普段から猫背など悪い姿勢をとるなど、姿勢の悪さが原因で腰痛になることがあります。通常であれば、背骨は緩やかなカーブを描いていますが、悪い姿勢を長時間続けると、重力を上手く分散できなくなって腰に大きな負担がかかります。腰に負担がかかると筋肉が緊張して血流が悪くなり、さらに圧迫が加えられると痛みが発生します。仕事で長時間のデスクワークが多い方は、腰の痛みが悪化しないように姿勢が悪いと感じたら、意識的に正しい姿勢をとるように心がけましょう。
中腰の姿勢で作業をすることが多い方は、小まめに休憩をとって軽くストレッチをします。同じ姿勢での作業が続いたときは、全身の筋肉をほぐすようにストレッチや軽い運動をしましょう。

冷えが原因で腰痛に!?

冬になると腰痛による痛みやしびれの症状が重くなる・・・という人は、身体の冷えが影響しているのかもしれません。冬の時期は寒さから身体を縮こませることがありますが、このときに筋肉が硬直すると神経が圧迫されて腰の痛みが起こりやすくなります。
冬に限らず、夏の暑い時期も冷え性による身体の冷えで筋肉が硬直し、腰痛の症状に悩まされている人も少なくありません。冷え性の代表的な症状である足の冷えは、全身に影響する恐れがあり、それが原因で腰に痛みが生じる可能性もあるため注意が必要です。
冷えによって腰痛が起こっている場合は、身体が冷えないように暖かい服装を意識して、夏場もクーラーの冷気が直接あたらないようにひざ掛けを利用したり、靴下などと併用して冷えから身体を守りましょう。

心理的ストレスが原因で腰痛に!?

腰痛の多くは、原因が特定されない非特異的腰痛がほとんどですが、こういった慢性的な腰の痛みには心理的ストレスが影響していると考えられています。激しい運動や腰に大きな負担がかかる作業をした場合は、急性の痛みが伴うことがありますが、痛みが引くまで安静にする、セルフケアをしっかりおこなうことで徐々に症状が軽くなる場合もあります。
一方、十分に休養がとれない場合や、仕事や人間関係などにより日常的にストレスを受けていると、それが影響して腰の痛みが長期化する恐れがあります。心理的ストレスを強く感じていると、無意識に力が入って筋肉が緊張して腰などに痛みを感じることがあります。ストレスを感じているときは痛みにも敏感になっているため、いつも以上に痛みが強く感じられることがあるようです。